....せんぱい。
先輩、先輩。
先輩....!
想うまま、私は大きく口を開いた。
「汐見先輩がんばれーー!!」
....私の声は、たぶん今日一番大きくて。
周りのことなんか、なんにも考えなかった。
ううん。なにも、気にならなかった。
彼に届け、って、それだけを考えて。
そのとき、先輩の速度が増した。
さっきよりずっと速く、一位との距離を縮めていく。
「マルの声、届いた....?」
隣から、チョコちゃんの信じられないという声が聞こえる。
...届いたの、かな。
届いてたら、いいな。
それからはもう、私の耳には何も聞こえなかった。
ただ、ただ、先輩を見ていた。
先輩は少し苦しそうで、でも、その顔は真剣で。



