キミじゃなきゃダメなんだ



「あ、理子ちゃん、大丈夫かな?」


ケガしてた理子ちゃんのことを、みっちゃんに尋ねる。

「大丈夫だと思うよー。気にしないでって言ってた」

そっか。

心配だし、救護テントまで見に行きたいけど....

今は。



「マールちゃん」


生徒席の後ろの方から呼ばれて、振り返る。

そこにいたのは案の定、松原先輩と、...その後ろに、汐見先輩だった。


「お疲れマルちゃん、すごかったねー!」

「えへへ、いえいえ。一位守れてよかったです」

「うんうん。さて、次はついに最後のリレーなわけだけど」


松原先輩がそう言って、視線を後ろの汐見先輩へ向ける。

汐見先輩は私と目が合うと、小さく笑った。


松原先輩がその様子を見て、フッと笑う。