里菜がそんな汐見先輩を見て、不憫そうな顔をする。


「汐見先輩に言わせちゃうなんて....。イケメンの可哀想な姿、リナ見てらんなーい」


誰だお前。

しらっとした目を向けると、「マルのせいでしょ~?」と言われた。その通りだから何も言えません。


私と里菜のやりとりを見ながら、松原先輩が優しく笑った。



「ま、ふたりとも頑張れよ。勝ち負けとか気にしなくていいから」



うう....

そう言ってくれるのはありがたいけど。

生徒席の方をちらりと見ると、みんながリレーを応援しているのがわかる。

このリレーに紅白の勝負の行方がかかっているからか、応援にも熱が入っていた。


私も応援しなきゃいけないんだけどね....次が自分の出番だと思うと、ね....



やがて一回目のリレーが終わって、十分ほどの休憩時間に入る。

その間に二回目のリレー選手は並ばなきゃいけない。


あああ、ついにこのときが来てしまったぁー。