「汐見がアンカーになったのは、そもそもお前のせいだろ、諒」

「こんなときまで追いつめんなよー」


なー?と二年生の視線が私の方へ向かってくる。

誰だかわからないけど激しく同意した。あっちもたぶん私のことわかってない。



「あ。つーか君、あの噂の子だろ?汐見が最近ゾッコンな一年生」



と思ったら知られてたぁーーー。


「う...わさ.....?」


可哀想なことに、汐見先輩の顔がさらに青くなる。

噂のこと、もしかして初めて聞いたのかな。

まあ私も、保健室の先生に聞かなきゃ知らなかったしな。


「え?うん。最近よくこの子と一緒にいるじゃん。お前」

「.......」

「付き合ってんだろ?」

「....つ、きあって、ない」


そう答える汐見先輩の顔がものすごく悔しそうで、私はなにも言わずに顔を下にした。まことに申し訳ない。