キミじゃなきゃダメなんだ



「これって、係の仕事だろ?丸岡、なんか係やってたっけ」

「んーん、これは本田さんのお仕事。私は手伝いだよ」

「それで、本田は?」

「今障害物競争に出てる」

「あー、なるほどな。だから丸岡が引き受けたんだな」


言葉が少なくても通じるってすごいな。

思わず感心している間に、体育倉庫に着いた。


ガラン、と音を立てて、児玉くんが鉄の棒を地面に立てる。

私が体育倉庫の扉を開けると、児玉くんが棒を抱えて中に入った。

うはー、すげえ。力持ちだ。



「丸岡ってさ」


棒を中へ入れ終えると、児玉くんが手に付いた砂をはたきながら言った。


「困ってる人がいたら、放っとけないタイプ?」

「...ん?んー、まぁ、そう、かな」


放っておいた方がいい事にも、つい首突っ込んじゃうんだけどね。