キミじゃなきゃダメなんだ



よーしこのまま行くぞ~と調子に乗っていたら、小石につまずいた。


お約束だなもう!


慌ててバランスを取ろうと身体の重心を後ろに向ける。

だけど鉄の棒の重さが加わって、そのまま背中から倒れそうになった。


....あっ、やばいわ。


そう悟って背中にかかる衝撃に備えたら、鉄の棒の後ろの方を誰かの手で掴まれて、私は寸前で衝撃を回避した。


「.....あれ?」


棒に掴まって、六十度くらいの角度で固まった私。

顔を後ろにそらして助けてくれた人を見上げた。



「.....児玉くん」

「あぶねーなぁ、お前」


同じクラスの男子、だった。

「........」

ちょっとびっくりして、しばらくその顔を見てたけど。

今の状況に気づいて、慌てて起き上がった。