「バトン渡すの失敗したり、ずっこけたりしたらどうしよう....」
お弁当箱を開けながら不安をこぼすと、里菜が「でもぉ」と言いながらパンの袋を開けた。
「今のところはリナたちの団が勝ってるし、マルがちょっと失敗しても大丈夫なんじゃない?」
「だといいけど....」
あくまで今のところは、だし。
私たち白団は、今のところ点数的には勝っている。
でも午後の競技で覆る可能性もある点差だ。
「でも、うちのクラスのリレーの後は、汐見先輩たちが出るリレーでしょ?」
「そうなんだよねえ」
計三回あるリレーのうち、私が走るのは二回目のリレー。
汐見先輩が走るのは、三回目。最後の最後。しかも彼はそのアンカーだ。



