キミじゃなきゃダメなんだ



嬉しくてニヤニヤしてると、先輩が困ったように苦笑いした。



「....君がもう少し近くに来てくれたら、僕はもっと楽しいんだけどね」



その呟きは小さくて、私の耳には届かなかった。








「お昼だお昼だーっ」


昼食の時間になって、いつもの三人で校舎に戻ってお昼を食べる。


里菜が頭に巻いていたハチマキを取ると、はぁあーとため息をついた。


「つかれたぁー。もぉ無理ぃ、動きたくなーい」

「確かに疲れたわね....まぁ、あたしと里菜の競技は午前中で終わったし」


あとはマルだけね、という目でチョコちゃんが私を見る。

そうなのだ。

私にはまだ、最後のリレーが待っている。


「うあー...なんか緊張してきた」

「あんたが緊張とかするの?」

「するよー!超するっ」


今だってちょっとお腹痛くなってきたよ。