嬉しくてニヤニヤしてると、先輩が困ったように苦笑いした。
「....君がもう少し近くに来てくれたら、僕はもっと楽しいんだけどね」
その呟きは小さくて、私の耳には届かなかった。
*
「お昼だお昼だーっ」
昼食の時間になって、いつもの三人で校舎に戻ってお昼を食べる。
里菜が頭に巻いていたハチマキを取ると、はぁあーとため息をついた。
「つかれたぁー。もぉ無理ぃ、動きたくなーい」
「確かに疲れたわね....まぁ、あたしと里菜の競技は午前中で終わったし」
あとはマルだけね、という目でチョコちゃんが私を見る。
そうなのだ。
私にはまだ、最後のリレーが待っている。
「うあー...なんか緊張してきた」
「あんたが緊張とかするの?」
「するよー!超するっ」
今だってちょっとお腹痛くなってきたよ。



