キミじゃなきゃダメなんだ



「そ、そうだったんですか。ありがとうございます」

「.......」


先輩はどうして私がこんなに戸惑っているのか、わかっていないみたいな顔をしている。


む、無自覚ですか。


どうしよう、先輩がナチュラルにアタックをかますようになってきてる。

こ、こういうのはスルーすべきですか?

ヒイわからない。

恋愛スキルがない私には正しい対応がまったくわからない!ごめんなさい!!



「え、えと....そう!先輩も!先輩も一位取ってましたよね!」



恥ずかしさを誤魔化そうと、別の話題をふる。


そうそう。

先輩も、私が百メートルを走る前に、二年男子の二百メートルで一位を取ってたんだよね!


「先輩さすがです。すごかったです!」


応援するって言ったし、見逃さずにしっかりと応援しましたよ!

てゆうか、見逃すようなことはまずあり得ない状況だったんだけど。