キミじゃなきゃダメなんだ




なんでみんな、ほっといてくれないの?


別にいいじゃん。汐見先輩が誰と仲良くしようが、周りには関係ないじゃん。


ムカつく。あの女子たちもムカつくし、自分にもムカつく。


情けない。

ほんと、情けない。


誰にも文句言わせないくらい格好良くて、先輩の友達としてふさわしい私になりたいのに。




「......百合?」



近くから聞こえて来た声にハッとして、私は慌てて立ち上がった。


目の前にいる人物を見て、今日はとことん運が悪いと心の中で呟く。



....知ってますか?

校内で私を『百合』って呼ぶのは、汐見先輩だけなんですよ。



「.....なんでそんなに、濡れてるの?」


先輩は私の姿を見るなり、眉を寄せた。

私は出てきそうになっていた涙を必死にこらえて、あははと笑った。