キミじゃなきゃダメなんだ



困っていると、横からハンカチが差し出された。


「だいじょーぶだよ、本田さん。ホッとしただけだよね?」


見ると、差し出していたのは里菜だった。

チョコちゃんも、気づけばすぐ近くにいる。


ふたりの登場に驚いていたけど、チョコちゃんが「さすがね」と笑いかけてくれたから、嬉しくなった。



「うっ、うう....ありがとう~」



里菜からハンカチを受け取った本田さんは、鼻をすすりながら涙を拭う。


だ、だいじょーぶ、なのかな?

ありがとうって言ってくれてるし、ホントにホッとしただけなのかも。


本田さんは少し落ち着くと、私をまっすぐに見上げた。


「ありがとう、丸岡さん.....私、ああいうときちゃんと断れないから、ダメなんだよね。ごめんね」

「....ううん。本田さんは、ちゃんと断ってたよ。あの子達がそれを無視してただけだよ」

「....優しいね、丸岡さん」


そうかな。どうだろう。

私は別に、優しくはないと思う。

私は私が嫌だなと思ったから、動いただけだよ。