振り返ると、その女子たちが、ひとりの女子の席を囲んで、何かを頼んでいる様子が見えた。
...いや、頼んでる、っていうより....
「あたしたちさぁ、このあと大事な用があるんだよね。本田さん、どうせ他に仕事あるんでしょ?ついでにこれ、やっててくんない?」
「...ご、ごめん、私、自分の仕事だけで精一杯だから....」
「えー?できるでしょ、こんくらい。マジメな優等生の、本田さんならさ~」
キャハハハ、と女子たちが笑う。
本田さん、と呼ばれた女の子は、明らかに困っていた。
「.....あれ、たぶん体育祭の係で頼まれたやつだよ」
眉を寄せたチョコちゃんが、隣でボソッと言う。
派手なメイクをバッチリ決めた女子が持っているのは、数枚の紙束。
そっか。
体育祭の係は、所属してる委員会や部活で色々と振り分けられてるから。
あの女子も、何か資料を作るように指示されたのかも。
その仕事を、本田さんに押し付けようとしてるってこと?



