明らかにケンカ腰で言葉を返すと、先輩たちの顔つきも一層険しくなった。
私と先輩たちの間に、冷たい風が吹く。
ーーカーン!
と、どこかで戦いのゴングが鳴った、気がした。
「....へぇ。『友達』なの。あなた。汐見くんの」
「はい」
「ふーん」
ゴゴゴゴ....と、どこかで地鳴りがする。いやしてないけど。気分はそんな感じ。
もはやここは戦場だ。女の戦いだ。
だけど、負けてられない。
私は汐見先輩の『友達』として、負けるわけにはいかないんだ。
理不尽な状況に陥ると、途端に私の心は燃え始める。
持ち前の正義感が私をそうさせるんだから、仕方ない。
私なんかより百倍美しい顔の先輩が、無遠慮に私の全身を眺める。
そして、己の勝利を確信したのか、ハッと鼻で笑われた。
「汐見くんも、友達の趣味、悪いわね。女の」
む....ムカつくー!
確かに、今のところ汐見先輩の『友達』として現れた女子は、私しかいないみたいだけど!
男の『友達』である松原先輩は、文句なしのイケメンでしょーけどぉ!



