[続]星に願う

「海です。」


「夏の海ですか?良いですね!」


「あっいえ。秋…冬って言っても良い時期でした。」


そう言えば興味深々な係の人達。

この部屋に今は3人居る。

「どうしてそんな時期に?」

「……自殺しようと思ったんです。」


ピタリと止まった係の人の手。


「やっぱり引きますよね?」

「……いえ。私もそういう事、考えてました。」


目を薄く開ければ鏡に映る係の人の顔。

深刻そうな顔だった。


「その時、彼に会ったんです。
私が腰くらいまで海に入った時、躊躇わずに入って来たんです。海に。」