申し訳なさそうに、軽く頭を下げる松伏さん。


松伏さんは格好良い。

少し茶色がかった髪に、黒い縁の眼鏡。しかも長身で、スラッとしてる。

レンズ越しに見える切れ目は吸い込まれそうになる。

「何か顔についてますか?」

じっと見てしまったせいでそんな事を聞かれた。


「いえ。少し考え事をしてしまって…。」


「そうですか。あ、沙亜羅さん。もう終わりの時間です。」


「え?」


もうそんな時間?

って思って時計を見れば、定時の6時30分を差していた。

仕事は片付いてるから、出れるな

そう思って大我が終わるのを待つ