「分かりやすいんだよ。」


喉で笑う架瑞を怨めしく思ってしまう。


「……分かりやすくないよ。」


多分

って小さな声で呟いた。
架瑞は何も聞かないで側に居た。


「…何も聞かないの?」


そう聞けば


「お前が言いたいなら、聞いてやる。言いたくないなら言うな。」


って言った。

正直その言葉は嬉しかった。
今の自分の気持ちを言い表せないし、何より、気持ちの整理が出来てなかった。


"ザァーザザーン"


波の音が私達を包む。
ただ、何も話さずに暫くそこに、2人で腰を下ろしていた。