座っていたベンチから立ち上がる

近くまで来た煌祐は


「走るな。1人の体じゃないんだぞ?」


って優しく笑ってくれた。
引っ込みかけていた涙がまた、頬を濡らす。


「さっきは悪かった。その…。」


「産むよ。新しく出来る家族。」


「あぁ。幸せになれ。」


「もう幸せだよ。」


「もっとだよ。バァカ!」


頭を軽く小突かれた。
それを楽しそうに見てる紗柚奈ちゃん。


「…仕切り直しするか。」


「だな。」


「こんな最悪?な誕生日久々だよ。」


って言ってる大我だったけど、楽しそうだった。