「ヴン!」


それでも涙は止まらない。
失いたくない。

それは私が一番分かってる。
家族を失うのはどれだけ辛いか。

長く一緒に居れば居る程、失った時に重くのしかかってくる辛さ。

分かってる。分かってるよ煌祐。

それでも


「煌がっ、反対しても産みたいの。

これから新しく出来るっ、家族なんだからっ。」


「…あぁ。…それを言えばいい。」


「えっ?」


顔を上げれば


「沙亜羅!!!!!!!!」


煌祐が走って来てるのが見えた。