「ひっ!!」


中山葵衣の驚き様を見たら、前回もこれ程煌祐を怒らせたんだろう

って思う。


「良い度胸してんじゃねーか。」


グッと近づいて


「テメェを10年眠らせてやろうか?」


地を這うような声でそう言った。


「ごめんなさいっ。」


何度もごめんなさい。ごめんなさい。って謝る中山葵衣に、紗柚奈ち
ゃんが近づく。

肩に手を置けば、ビクッてなった中山葵衣に、ゆっくり話かけ始め
た。


「ごめんなさい。あなたが私にした事はまだ許せない。でも、あの事件があったから、今の私が居るの。

だからあなたも、あの時の自分が居たから、今の自分が居るって思
えば良いんじゃないかな?」