「…10年。…こいつは姉を失ったんだよ!…どれだけ長い年月だと
思う?

…いつ目を覚ましてくれるのか分からない。

…お前はそんな不安に10年耐えられるのか?!」


中山葵衣の目に涙が浮かぶ。


「…今幸せなんじゃねーのかよ!

…私の幸せを奪った?笑わせるな!!…お前はこいつの幸せと、姉の
幸せと、その時お前が好きだった煌祐からも幸せ奪ってんだよ!!

…なのに、大我が幸せになる事が許せない?…ふざけんのもいい加
減にしろよ?!

…お前を逃がした大我の気持ちを考えやがれ!!」