「じゃーな」 「う、うん!ありがとう…!」 教室まで運んでくれた朔は、そのまま自分の教室へと戻って行った。 まだ生徒が少ししか登校してきていないこの時間。 朔と学校で話せたという嬉しさよりも、王子様である彼と一緒にいるところを見られなくてよかったという安心感の方が大きかった。 …最低だな、私。 助けてくれたのに、こんなこと思うなんて。