「ここの3階に色々店あんだよ。どっかで食ってこーぜ」 普段笑わないくせに、ニッとイタズラっぽく笑う朔に不覚にも、ドキッとした。 「いい、けど…」 なんとなく言葉が詰まる。 だってこれじゃ、本当のデートみたいなんだもん。 「何?デートみたいで嫌?」 そんな私の気持ちを知ってか知らずか、からかう様に朔はそう聞いてきた。 「そ、そんなわけないでしょ!」 「そ。じゃあ決まり」 思わず強がった返事をしてしまったのが運の尽き。 まんまと私は、この人との "恋人ごっこ" に延長戦を迎えた。