「ううん。大丈夫」 そう伝えると、朔は安心したような表情を見せた。 気を遣ってくれたらしい。 「これ、」 そして急に口を開いたかと思えば、ポスッ、と頭の上に何かが乗った。 それと同時に視界も狭くなる。 「深めに被ってて」 それが何か分からず、一度頭から取ったそれは、今さっきまで朔が被っていたキャップ帽で。 「わ、わかった…」 とりあえず言われた通り深く被ったのはいいけど…。 「こんなことしてどうするの?……って何してんのよ!」