「マジでウザい。消えてくれる?」 そして、さっきから何度このセリフで数々の女の人を泣かせてきたことか。 本当にモテるんだな、この人。 伊達に学校の王子様をやってるわけじゃないみたい。 「ほら行こ、ちあ」 「え、ちょ…っ」 彼女達を遠ざけると、途端に朔は私の腕を引いてどんどん歩いてしまう。 それに私は必死に着いて行くだけだった。 「あ、ごめんつい…」 それから朔が止まってくれたのは、意外とすぐのこと。 どうやら私が必死なことに気付いてくれたみたい。