「これからここで暮らすのに、あんな量で足りるわけ?」

「や、それはそのー…」



朔に聞かれて思わず口籠る。




一応生活していく上で必要最低限なものだけを持ってきたわけでして。




正直に言うと…。



「足りない、です」

「だろーな」



私の考えが甘かった。






「じゃ、これ飲んだら行くよ」

「え、どこに?」



そんな私に朔が突然そんなことを言い出したものだから、一瞬何を言ってるのかわからなかった。