クールなヒーローに甘いお菓子を。




すると、本郷朔は盛大にため息をついた。




え、…何故ため息?





「あのさ、今更俺が拒否したところでお前住むとこないんだろ?流石にそれが分かってて追い出すほど、俺も冷たくない」

「………」




その言葉に、ああ、と思った。



やっぱり、この人いい人だ。





「何か言えば?黙ってられると困る」



口調は冷たいけど、人のことはちゃんと考えてくれる。




「ご、ごめん!ありがとう、本郷朔!」

「クスッ。朔でいーよ」



小さくはあるが初めて笑った彼──朔に、不覚にもどきっとしてしまった。