「母さんから聞いたけど、別にお前に悪いとこなんてないし。お互い親が勝手に決めたんだからさ。ここ、お前の部屋な」 さっきから無表情ながらもそんなことを言う本郷朔。 「あ、ありがと…」 「ん」 なんだか素っ気ないけど、いい人…だと思っていいのだろうか。 いや、でも。 「あ、あのっ!」 「何?」 「私、本当にここに住んでもいいの、かな」 冷静に考えてみよう。 流石に高校生の男女がって、少しまずい気がするのは私だけかな。