「…………」 「…………」 当然、残ったのは私と本郷朔だけ。 「あ、あのー…」 チラリと彼の顔を見ると、その表情は物凄く不機嫌で。 「ったくなんて自分勝手な。お互い大変だな。面倒な親に振り回されて」 「え?」 けど、押しかけた私に怒ってると思ったのにどうやらそういうわけではなさそうだった。 「何?」 「や、あの…私に怒ってるのかと思ってたから」 そう言えば「そんなわけないでしょ」なんて拍子抜けなことを言う。 そして、私の荷物を持って部屋らしき場所へと運んでくれた。