「はーい!」

開けたドアの向こう。

眩しくて、思わず顔をゆがめた。

「来ちゃった」

にこにこ笑う男の人は、玄関にはいってきた。

茶色の髪の毛は、ふわふわしていて、触ってみたくなった。

目を細めて、人懐こい笑顔に見とれて…

それから、胸がドキドキした。

目が離せなくて、

「まゆちゃん?」

名前を呼ばれるまで私は、時が止まっているみたいに見とれていた。