「お父さんっ!」

「〜?」

「ねぇ、ってば!」

「んー?」

「おーきーてー」

「んー、起きてるよ〜。
……」

掛け布団を取り上げて、お父さんの体を揺さぶる。

猫みたいに丸まったお父さんと、かれこれ5分も格闘中。

朝が弱い。

なんて言葉で片付けてほしくないほど、起きないの。ほんと。

目覚まし時計とスマホの音でも起きないんだから、あきれてしまう。

なんのための目覚ましよ?

もう、スマホが鳴るのは3回目だった。