部屋の入り口をニコニコしながら待っていた須田さんの顔が
一瞬で硬い表情になった。
「・・・江里子?」
「佑介」
そして須田さんの目線は私たちに向けられた。
「これは・・・どういうこと?」
凄く動揺している。
こんな須田さんを見るのは初めてだ。
「須田さんって時々凄く楽しそうにしていたかと思うと急に寂しそうな目を
するのが気になってたんです。昨日私に言った言葉も引っかかって弦に話したら
江里子さんの名前が出てきて・・・それで」
話を続けようとしていたのだが、須田さんにもういいと言われそれ以上は
話さなかった。
「で?彼女をここに連れてきて何をしようとしているの?」
「須田さんはまだ江里子さんの事愛していますよね。だから
ちゃんと2人で話をしてほしいんです。」
だが須田さんの言葉は意外なものだった。
「俺はもう話すことなんかないよ」