翌日、あのぼろい平屋に行くと
お爺さんが家の前で待っていた。
「昨日お電話した水野と申します」
挨拶すると
「あんたたちも物好きだね」と言いながらニコニコしながら鍵を開けた。
いやいや・・だったら空家の看板立てかけないでって話なんだけど・・・・
お爺さんの話によると
借りる人なんていないけどダメ元で貸家ありの看板を作ったとのこと。
部屋は4部屋あり風呂もトイレもあった。
残念な部分は風呂にシャワーがないことだ。
トイレはどういう訳か辛うじて洋式だった。
他はリフォームすればどうとでもなりそうだった。
家賃も想像以上に安かった。
格安物件ってやつだ。
お爺さんの話では
借りるなら畳は交換する。家の状態があまりよくないので家賃を物凄く安くする。
家の中は自由にいじってくれていいと言ってくれた。
元々自分が住んでいた家だったが高齢で、今は長男夫婦と同居している。
取り壊して土地を売ってもよかったけど
奥さんとの思い出の家を壊す勇気がなかったそうだった。
どんなふうにいじっても構わないから
いい返事待ってるよと言って鍵を渡された。