でもうれしい報告もあった。
それは福山課長と一緒に暮らすことになったのだ。
先週末、お互いの両親に挨拶をして妊娠の報告もしたらしい。
「実はさ・・・会社やめようと思って」

本当はこの話をしたかったのだろう。

「仕事は好きなんだけどさ・・・子供に手がかからなくなるまでは
 子供についていてあげたいなって・・おもって」
「それは・・・課長の考え?」
美鈴は首を横に振った。
「私に決まってんじゃん。」
照れながら言う美鈴の顔はもうママの顔になっているように見えた。
「そっか・・・寂しくなるけど・・頑張れ美鈴!」
私は美鈴の今後を祝福した。
だが・・・
「ま~私はいいんだよ。私は・・・問題は千鶴」
「え?私?」
「水野君とうまくいっている様だし、うれしい報告楽しみに待ってるからね」
美鈴は自分のお腹を優しく円を描くように撫でた。

うれしい報告か・・・・
いつの事やら・・・私は軽くため息を着くと
重い腰を上げ職場へと戻った。