「ねぇ・・・今日、初めて弦のお部屋に入ったんだけど・・・」
「うん・・・」
「あの写真立てって・・手作り?」
手作り感たっぷりのフォトフレームと写真・・・・
写真の中身についてはちょっと恥ずかしい気持ちがあり
聞くのをやめた。
「あー。あれ?・・・あれはさ、みんなでキャンプした時に川で拾った
流木を使って俺が作った。」
やっぱり弦が作ったんだ。
「あの写真が俺のお気に入りで、あれに合うフォトフレームを
探していたんだけどなかなかいいのがなくてね・・・
キャンプした時、小さな流木がたくさん落ちているのを見つけて
フォトフレームにしようと思って作ってみたんだ」
「じゃあ・・・あの写真はずっと飾ってあったの?」
弦は照れくさそうに頷いた。
私はといえば、思い出すのが怖いからと写真の全てを捨てたのに・・・
「ねぇ!何で捨てなかったの?私なんて・・・弦との写真全部捨てたんだよ。
 辛くなって先に進めなくなるから捨てたのになんで?なんで弦は残してたの?」
弦は箸を置くと私をじっと見つめた。
「好きだから・・・嫌いになんかなれなかった。なる理由もなかったから・・」
自分はとっとと別の男に走ったというのに・・・
自分が恥ずかしい。