人魚姫


「ヤバい、海。その顔、俺以外に見せないでね」

紅く染まった頬は、太陽に照らされて一層海を綺麗に見せた

「あたし、お、お茶買ってくるっ」

バタバタと走っていった


ヤッベー、可愛すぎる

そのあとは、何もなかったように海は戻ってきた

「うっみちゃーん!俺、お腹すいたー!!」

真と竜が帰ってきた

「いっぱい作ったからたくさん食べてね」

ふわりふわり笑う海に遊びに来た周りのやつらも釘付けだった

あーぁ、俺の海なのにー

なーんか、モヤモヤすんなー

「翼?」

目の前に海の顔が
海の瞳には俺が映っている

俺しか映っていないんだ