「あのー、海さん。そんな、見られてると恥ずかしいんだけど」
「へっ!!ごめんなさい!!」
焦った声を出す海を見てクスクスと笑い
「背中、だろ?」
「うん、綺麗だなって」
「綺麗か…、初めて言われた。怖いとかは、よく言われるけど」
「その、昇り龍」
「そーそー。俺、一応裏社会のもんだからね」
親父が、極道のドンらしいから俺もいれられちゃったーアハハと笑うと
「無理して、笑わなくてもいいよ」
真っ直ぐに見てくる海
そして、もう一度「笑わなくてもいいよ」念を押すように
「ありがと。じゃ、海も俺といる時は無理して笑わなくてもいい。俺は素の海が見たいんだ」
そう言うと、海はそっぽを向いて俺に顔を隠すようにしてくる
そんなこと、されると見たくなるのが俺なのだ
「海ー、こっち向いて」
「ヤダ」
「海ちゃーん」
いくら言っても、向かないから強制突破
ぐいっと、海の腕を引っ張り顎を持って上を向かせる