「あー、そう。茜はそうやって嘘つくんだね」 ハァとため息を付く声が、聞こえた。 「ッッ」 十影は、隠し事してるでしょ!っなんて言いたいけど、この雰囲気。 言えるわけない。 「良いよ。別に…こんなこと、バレたってさ」 と、言いながら私に歩み寄る。 後退りしてしまう。 「でもさ。」 その時、私は壁に背中を合わせて、震えていた。 目の前には、十影。 足を震わせて、しゃがみこんだ私を見下ろす。