「ねぇ。それって。」

「え…?」

そのとき、私の後ろに来た。
そして、

耳元で声を出された。


「俺より、あ・の十影の方が良いって事なの?」

息が耳元で、フゥーってなってくすぐったい。

「んっっ!ちょ…そんな///」


くすぐったいから、肩を上げて、耳を極力隠すようにする。


「か~わいっ。で、どうなの?十影なの?」


十影…。


「ち…ちがっっ!」


十影……なんて、嫌いだ。
急に、誘拐して!


でも――。

何て言うか――十影じゃないと、十影じゃないと!

監禁は、落ち着かないんだ。


「うー。そーなの。」

「でも――。先輩には、監禁されたくないんだ!」