高齢者とかに、譲らなくては駄目な所の席に座って、のんびりと一人くつろいでいた。


電車の中は、満員列車だ。



流されるまま、十影の方に。



ついには、目の前に行ってしまった。



「……………」

十影は、気づくこともなく下を見ているだけ。

気づくなんて、しない。




「……あ、か…ね?」


でも、ずっと気づかれないなんてあり得なかった。