優良が向かった先は

桜ちゃんの所では無く屋上。




誰かに用なのかな?と

思ったけど屋上には誰もいなかった。






屋上について優良がフェンスの網目に

手を引っ掛けた時、





「井上、俺に何か用??」




優良に背を向けられたまま

急に声をかけられて

びっくりした。




なんだ、バレてたんだ。



俺は心の中でクスリと笑って

優良に近づいた。




「なんか久しぶりだね。」


「なんで後をつけてきたんだよ」




俺の挨拶なんて無視して

俺が後をつけた意図を探る優良。




まあ最初に優良の質問を

無視したのは俺だけど。






「特に意味はないよ。

ねえ突然だけど愛莉の事は

もういいの?」




いいなら俺は心置きなく貰うよ。



まあ今の愛莉なら

どっちに転ぶかなんて分かんないけど








「好きだよ。」




男の俺から見ても綺麗な横顔は

切なく歪んでいる。




ちょっと可哀想だから

良いこと教えてあげようかな。







「優良、今ね愛莉が優良のために

動いてるんだよ。」



「え?どうゆうこと?」



「ふふ。秘密。そのうち足が

捕まったら助けに行くよ。」





優良は幸せものだね。



俺は優良に微笑むと

優良は不思議そうに小首を傾げた。