それから、隼斗くんがためてくれたお風呂に先に入った。
温かいシャワーを浴び、湯船に浸かる。
あ、入浴剤が入ってる。
なんの香りだろう。
お湯は乳白色…
ーーーーポチャン。
あれ?あれ?
気づくと涙が溢れていた。
乳白色のお湯どころか、お風呂のこの空間さえ霞んで見えない。
もう涙が止められない。
そう分かった時だった……
ーーーーーガラッ。
湯気と涙で霞んだ視界で、お風呂のドアが開く音がした。
え?
そう思った時には……
チャポン。。
「は、隼斗くっ……!?」
「後ろ、入りますね。」
同じ湯船にそう言って隼斗くんが入ってきた。
も、もちろん、お風呂だから、服は着ていないわけで……
湯船に浸かったまま、動けず固まってしまった私。
「雨で体、冷えませんでした?」
「ん、だ、大丈夫だよっ………わっ。。」
答えるより先に、背中側から体を引き寄せられた。
背中に感じる想像してたよりももっと筋肉質な胸板。
一気に心臓が暴れだして止まらない。
「泣いて…ますか?」
不意に優しい声で問われ、ドキドキしていた私は同時にホッとしてしまった。
「泣いてなんか、ないよ。。」
別に、私は何も見てないし、知らないし、泣く理由なんて…
「佐和さん、ウソ下手ですよ…」
「……ッ。。」
そっと向き合うように抱き締められて、その胸で泣いた。
義理の弟だっていうことを忘れ去って。



