秘め恋*story6~お風呂で…~





それから、隼斗くんがためてくれたお風呂に先に入った。



温かいシャワーを浴び、湯船に浸かる。



あ、入浴剤が入ってる。
なんの香りだろう。



お湯は乳白色…




ーーーーポチャン。



あれ?あれ?


気づくと涙が溢れていた。



乳白色のお湯どころか、お風呂のこの空間さえ霞んで見えない。




もう涙が止められない。
そう分かった時だった……




ーーーーーガラッ。




湯気と涙で霞んだ視界で、お風呂のドアが開く音がした。



え?



そう思った時には……




チャポン。。




「は、隼斗くっ……!?」



「後ろ、入りますね。」




同じ湯船にそう言って隼斗くんが入ってきた。



も、もちろん、お風呂だから、服は着ていないわけで……




湯船に浸かったまま、動けず固まってしまった私。




「雨で体、冷えませんでした?」



「ん、だ、大丈夫だよっ………わっ。。」




答えるより先に、背中側から体を引き寄せられた。



背中に感じる想像してたよりももっと筋肉質な胸板。




一気に心臓が暴れだして止まらない。




「泣いて…ますか?」




不意に優しい声で問われ、ドキドキしていた私は同時にホッとしてしまった。





「泣いてなんか、ないよ。。」





別に、私は何も見てないし、知らないし、泣く理由なんて…





「佐和さん、ウソ下手ですよ…」



「……ッ。。」




そっと向き合うように抱き締められて、その胸で泣いた。



義理の弟だっていうことを忘れ去って。