「……えっと、あの…っ… …さっきの話。 聞いてた、んだよね……?」 チラリと 様子を伺った先の彼が 無言で頷いたと同時に、 気付けば教室を飛び出していた。 ーーーどうしよう、どうしよう。 授業中に見つめた横顔も シャーペンを握る骨ばった手も グランドを駆ける姿も ボールを見つめる真剣な瞳も ずっと見てた。 見てるだけで、十分だった。 ーーーーーほんとに?