教室に入ると、クラスはもうガヤガヤ賑わいを見せている。

私の席は窓側の3番目。
ここからだと西校舎のかずくんたちの教室がよーく見えるからあの手この手をつかって手に入れた。

ストーカーとか言われてももう気にしないよ。
すでにそんな蔑みはとことんうけてる。

「おはよ優姫」

そう彼女。はなちゃんから。
波名 瑞希
私にまあまあ付き合ってくれる友人。言い方はあれだけどもちろん仲はいい。

ちなみに珍しい名字の彼女の両親は遊び心で名付けたらしいけど、本人はいろいろ突っ込まれるから煩わしいという。

私ははなちゃんて呼ぶのがしっくりくるからそう呼んでいるけど、キャラじゃないと始めはしかめつらをされた。
それでもしつこく呼び続けて今に至る。

かずくんへのしつこさも彼女のお墨付き。

だから打たれても打たれてもかずくんにつきまとう私に、しつこい!きもい!ドM!などと暴言を吐いてきたから、そのへんのメンタルはもうダイヤモンドにも負けない。

でも、1度もあきらめろとは言わなかった。
これだからはなちゃんは嫌いになれない。