「はー。帰ろうぜ。」 沈黙の中、そう切り出した啓大。 「え、あ、うん…。」 花音には悪いけど、これ以上してもすることがない。 二人きりで何を喋って良いかわからなくて、私たちはただ駅まで歩いた。 いつもならからかってくるのに、今日はからかってこない。 「次の電車は52分か。あと20分か。」 「長いね…。」 もう、この空気何とかして…。 と思っていたら、前を歩いていた啓大が振り返った。 「な、なに?」 じーっとこっちを見て、突然笑い出した。 「な、なに!」