今まで独りで戦った星也さんをせめて私が癒してあげたい。
そんな思いで撫で続ける。
「ありがとう、」
星也さんは私に撫でるのを止めさせる様に
腕を掴んだ。
私は頭を撫でるのを止めた。
「さ、勉強続けよう?」
「はい」
私達は黙々と、勉強を再開させた。


「今日はありがとうございました」
お母さんが玄関で星也さんに挨拶をする。
「あなたみたいな人が美晴の彼氏でよかったわ」
「お母さん・・・」
お母さんの目は少し潤んでる様に見えた。
「星也君」
今まで黙っていたお父さんが口を開く。
「美晴でいいのか?変人で泣き虫なこいつでいいのか?」
「ちょっと!お父さん‼」
私は、お父さんの胸をおもいっきり叩いた。
「うぐっ‼、」と、お父さんが顔を歪める。
そんな私達を星也さんは笑って
「いいんです」と、答えた。
「お嬢さんはお二人の子どもだからこそ美晴ちゃんが美しく、強く育ったんだと、思います」
「星也君・・・」
お父さんは星也さんの目をしっかりと、見た。
「美晴を頼んだぞ」

「はい」
その言葉を最後に星也さんは家を出た。
家を出た後散々お母さんにいじられたが
まあ、嬉しそうだったし許してあげようかな。