『痛いよぉ。何で...何でなの?』



気が付いた時には、あたしの
手や足が血まみれになってた。



『桃華ごめん。俺、桃華のこと
大好きなんだよ?』


血がついたハサミを
そっとテーブルの上に置いて
私を抱きしめる大好きなはずの手。



でも...


大好きなら、なんで??
何も考えられなかった。



涙も出なかった。




『真、別れよう。あたしもう無理だ。』