溺愛☆ナイト様


あたし達はパーティー会場の広間へ入った。

右にはカルガン、左にはハルトと大型の男を二人も連れていると、さすがに目立つ。


そして、嫌でも聞こえてきてしまう。


「あれが悪魔の子よ」

「噂通りの目の色ね。気持ち悪いわ」

「早く消さないと、この国が危ないぞ」


まわりからの目。

あたしの誕生日パーティーのはずなのに、この有り様。


きっと誰一人としてあたしの誕生日を祝っていない。


「おお、来たかレナ。改めて、誕生日おめでとう」

お父様が近くによる。

「ありがとうございます、お父様」

この世で本当に祝福しているのは、お父様ぐらいだけど。


「国王、ちょっとよろしいですかな」

太った公爵が、こちらを睨みながら歩いてくる。

「おぉ、今行きますぞ。それじゃハルトくん、レナを頼むよ」

お父様は公爵と共に行ってしまった。


「では、私も少々席を外します。レナ様」

「えぇ」


カルガンまで見回りに行ってしまった。

残ったのはあたしとハルトだけ。


「ハルト。あなたはいいの?挨拶とか色々」

「俺はそういうの、嫌いなんですよ。それに、アンタのそばは離れられませんから。いいんですよ」

こう言われるとちょっと嬉しい自分がいる。

ひとりのときよりは、たとえ護衛でも隣にいてくれると安心する。

「…ありがと」

「…いえ。仕事ですから」

悪魔の子の護衛…ね。


それにしても、何かおかしい。

いつもならば、毒とかでとっくに襲ってくるのに、気配すらない。


すごいイヤな感じがする。