あたし達はパーティー会場の広間へ入った。
右にはカルガン、左にはハルトと大型の男を二人も連れていると、さすがに目立つ。
そして、嫌でも聞こえてきてしまう。
「あれが悪魔の子よ」
「噂通りの目の色ね。気持ち悪いわ」
「早く消さないと、この国が危ないぞ」
まわりからの目。
あたしの誕生日パーティーのはずなのに、この有り様。
きっと誰一人としてあたしの誕生日を祝っていない。
「おお、来たかレナ。改めて、誕生日おめでとう」
お父様が近くによる。
「ありがとうございます、お父様」
この世で本当に祝福しているのは、お父様ぐらいだけど。
「国王、ちょっとよろしいですかな」
太った公爵が、こちらを睨みながら歩いてくる。
「おぉ、今行きますぞ。それじゃハルトくん、レナを頼むよ」
お父様は公爵と共に行ってしまった。
「では、私も少々席を外します。レナ様」
「えぇ」
カルガンまで見回りに行ってしまった。
残ったのはあたしとハルトだけ。
「ハルト。あなたはいいの?挨拶とか色々」
「俺はそういうの、嫌いなんですよ。それに、アンタのそばは離れられませんから。いいんですよ」
こう言われるとちょっと嬉しい自分がいる。
ひとりのときよりは、たとえ護衛でも隣にいてくれると安心する。
「…ありがと」
「…いえ。仕事ですから」
悪魔の子の護衛…ね。
それにしても、何かおかしい。
いつもならば、毒とかでとっくに襲ってくるのに、気配すらない。
すごいイヤな感じがする。


