溺愛☆ナイト様


『悪魔の子はこの国に害をもたらす』

『破滅の姫は、殺したほうがいい』


何回も聞いて生きてきた言葉。

それが当たり前になってしまった日常。


「分かったでしょう?!知らなかったなら今すぐ辞めたほうがいいわよ!!…近くにいると、あなたまで殺されるから」


そう。

一番大切だった人も、あたしの近くにいたせいで死んでしまった。


…お母様。


あたしがいくら心から信じていた人でも、平気であたしを裏切る。

そして、殺しにくる。

そんな事が何回もあったんだから。

だから、あたしにはカルガンとお父様だけでいい。


そう…思っていたのに…。


「…俺は、姫さんを悪魔の子なんて思いません。こんな弱そうな姫が悪魔?ハッ!冗談にも程がある」


…。

一瞬、言葉を失った。

そんなことを言われたのは初めて…。

夢かとまで思うくらい、驚いた。