『悪魔の子はこの国に害をもたらす』
『破滅の姫は、殺したほうがいい』
何回も聞いて生きてきた言葉。
それが当たり前になってしまった日常。
「分かったでしょう?!知らなかったなら今すぐ辞めたほうがいいわよ!!…近くにいると、あなたまで殺されるから」
そう。
一番大切だった人も、あたしの近くにいたせいで死んでしまった。
…お母様。
あたしがいくら心から信じていた人でも、平気であたしを裏切る。
そして、殺しにくる。
そんな事が何回もあったんだから。
だから、あたしにはカルガンとお父様だけでいい。
そう…思っていたのに…。
「…俺は、姫さんを悪魔の子なんて思いません。こんな弱そうな姫が悪魔?ハッ!冗談にも程がある」
…。
一瞬、言葉を失った。
そんなことを言われたのは初めて…。
夢かとまで思うくらい、驚いた。


