いつもは教科書すら開かないくせに、今回はおかしい。



「勇雅に勉強なんて似合わないって♪勇雅はバカだから可愛いんだよ。」



勇雅はそう言ったオレを横目で睨むと



「オレは生まれ変わったから。これからは『天才』って呼んでくれても構わないけど？」



って小バカにしたような微笑みを浮かべる。




…オレよりいい成績取るなんて勇雅には絶対無理でしょ。



だって勇雅はビリから数えた方が早いもんね。





そんなことを考えていると、勇雅のシャーペンを動かす手が止まった。



「夏生さぁ…キャンプの後からおかしくね？」




いきなりオレへの真面目な質問。



だけど、何が言いたいのか全く分からない。



「どこもおかしくねぇけど？」



「…前よりもっと彼女が増えてんだろ。」