先生の目を勇雅が上手くごまかしてくれて、なんとか外に出れたオレ。




急いでひなののところへ向かう。



そして、人だかりの近くまで来た時




いきなり聞こえてきた大きな声と音。





「―…ふざけんな!!」



―――パンッ





「え…何?何の音?」



勇雅は長身を生かして背のびをして状況を確認する。


そんな勇雅の顔が引きつって



「ひなのちゃんが…」



と語尾を濁した。



勇雅の状況から、やばいと判断したオレは無理矢理人だかりをかきわける。




「――…ひなの?」




やっとのことで確認出来たひなのの顔は、ほっぺたが赤く腫れていた。